人工透析センター

人工透析センターについて

透析センターでは、月~土曜日の午前・午後の2クールの血液透析療法を行っています。外来透析と入院透析の対応ができます。入院透析では、一般病床で治療を中心とした入院透析と、医療保険適応療養病床で療養を中心とした長期入院透析もご提供しています。

医師・看護師・看護補助・クラーク・臨床工学技士が勤務しており、患者様が安全で安心して治療が行えるようお手伝いさせていただいています。透析に関する最新の情報を提供したり、患者様の治療に関するご相談に応じています。また、趣味のお話や多くの患者様と一緒に透析治療の時間を共に過ごし、患者様が「透析日が楽しい」と思っていただけるよう努めております。

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外来では腎臓内科外来もあり、慢性腎臓病(CKD)で透析前の保存期から透析導入期・維持透析期と多様な時期に対応できる設備と環境が整っております。透析療法だけでなく関連疾患に関わる総合的な医療をご提供できます。

当院での透析医療は、一生涯継続されるものである透析療法において、1人の患者様がその時々及び加齢に応じた問題点へと変化して行くことも念頭に置き、対応させていただきます。様々な疾患に対し、アフェレーシス療法なども行っております。
また、シャント手術も行っており、シャントトラブルの対応も可能です。

個室

画像透析センターには個室で透析をご提供できる設備もございます。

ベッドサイド用液晶テレビ

画像リラックスして治療を受けて頂くために、全ベッドに最新式の液晶テレビを設置致しました。

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送迎車

外来透析の患者様専用に送迎車を備えております(送迎無料)。
通常の外来ルートとは別に患者様個々で対応しており、車椅子での乗車も可能ですので安心して通院していただけます。

ご相談窓口

お電話の場合

TEL:04‐7181‐1100
月~土 9:00~17:00
透析センターまたは地域連携室の医療相談員まで

外来の場合

毎週火曜日 13:30~16:30
第2内科 和田医師(腎臓内科)まで
尚、受診の際は、主治医よりの診療情報提供書・看護サマリー・透析条件・データ等、お持ちの保険証・特定疾病医療受領書・身障手帳をご持参ください。

※診療上の都合により、透析開始時間・曜日・ベッドの位置など変更をお願いすることもございますが、その際はご了承ください。
※送迎場所に関しては、ご希望によりご指定の所までお迎えにいくこともできますのでお気軽にご相談ください。

人工透析について

腎臓の働き

画像腎臓はお腹の後側に左右1ずつあり、大きさはにぎりこぶし大でソラマメのような形をしています。
腎臓は体にとって必要なものを取り込み、要らないものを尿として体の外に捨てています。腎臓は以下のような8つの働きをしています。

1. 老廃物の排泄

尿毒素や体の中でいらなくなった重金属・薬剤・有害物質などを尿中に捨てています。

2. 水分の調節

尿の濃さや量を調節して体の中の水分を一定に保っています。

3. 電解質(ナトリウム・カリウム・カルシウム・クロール・マグネシウム・リン・重炭酸)の調節

血液中の電解質の濃度を正常に保っています。

4. 血液を弱アルカリ性に保つ

腎臓ではアルカリ性物質(重炭酸)を作り、体に溜まった酸性物質を中和して血液を弱アルカリ性に保っています。

5. 造血刺激ホルモンの分泌

腎臓は造血刺激ホルモン(エリスロポエチン)を分泌し、骨髄で作られる赤血球の産生を促します。

6. ビタミンDの活性化

食物からとられるか、日光の紫外線により皮膚で作られたビタミンDを活性化させて、腸から血液中へのカルシウムの吸収を助けます。

7. 血圧の調節

血圧が下がり、腎臓の血流量が減ると、腎臓はレニンというホルモンを分泌して血圧を上げるように働きます。

8. 不要になったホルモンの分解と排泄

体にとって要らなくなったホルモンを壊したり、捨てたりしています。

慢性腎臓病(CKD)と腎不全

慢性腎臓病(CKD)は、色々な要因で腎臓の働きがゆっくり悪くなって行く病気です。自覚症状が少なく、気づかないうちに病気が進行してしまい、最終的に透析治療が必要になった状態になります。

腎不全とは腎臓の働きが、正常の30%以下(血清クレアチニン値3mg/dl以上)に低下した状態です。腎不全には急性腎不全と慢性腎不全があります。数年から十数年以上の長い時間をかけ、除々に慢性腎臓病が進行した慢性腎不全では、腎機能の回復が不可能です。

慢性腎不全で透析を導入した人の原疾患は、1998年には、糖尿病性腎症が第一位となり、慢性糸球体腎炎が第二位です。他に、腎硬化症、のう胞腎、腎盂腎炎などがあります。原疾患によって、治療や経過が異なります。

腎不全が進行すると

腎臓は尿を生成して、老廃物の排泄や水分・電解質の調節、血液のpHの調節やホルモンの分泌や排泄を行います。 この働きが十分にできなくなった状態が腎不全で、老廃物が体の中に蓄積されて、体のバランスが崩れ、尿毒症という症状を起こします。

尿毒症は、食欲がない・吐き気・嘔吐(吐く)などの消火器症状、息切れ・動悸などの貧血症状をはじめ、記憶力・思考力の低下や不眠などの様々な症状が出ます。

水分が溜まると体重が増え、むくみが出てきます。ひどくなると、動悸・息切れ・呼吸困難・咳・たん・胸が重苦しい、寝ていると息苦しいといった心不全症状が現れます。

電解質の調整ができなくなるとカリウムが溜まって生命の危険を及ぼし、造血刺激ホルモン(エリスロポリチン)の低下によって貧血が悪化します。またレニンがたくさん分泌されて血圧が上がります。

腎不全の治療は今のところ腎移植しかありません。血液透析や腹膜透析は生命を維持するために失われた腎臓の一部を代行する血液浄化療法です。

血液透析とは・・・

画像透析とは様々な原因で腎不全となり、腎臓がほとんど働かなくなったときに行う代替療法です。しかし、腎臓の働きをすべて代行することはできません。

血液透析でできることは、老廃物を取り除くこと・余分な水分を取り除くこと・電解質を調節すること・血液のpHを調節することだけです。そして、24時間働いている腎臓に対して、血液透析は一回3~4時間、1週間で9~12時間ですから、食事などの日常生活の過ごし方が大切になります。

シャントとは・・・

血液透析を行うためには大量の血液を毎回確実にダイアライザー(人工腎臓)へと送る必要があります。腕に静脈では大量の血液を得ることが難しいため、動脈と静脈をつなぐ手術を行い、内シャントを作ります。

手術によって動脈と静脈をつなぐことで静脈への血流量を増やし、十分な血液を人工腎臓に送ることができます。手術したところに触れるとザーザーと響くような血液の流れを感じることができます。血液透析を受ける患者様にとってシャントは『命』の次に大切なものです。

ダイアライザー(人工腎臓)と血液がきれいになる仕組みについて

画像ダイアライザーは腎臓の代わりをする人工腎臓です。患者様によってそれぞれの体の状態に応じて適したものを選んで使用します。

シャント血管に透析用の針を2本刺し、血液透析回路につなぎます。透析の機械のポンプによって取り出された血液は、ダイアライザーの中で圧力によって老廃物や余分な水分等が透析液の中に押し出されます。ダイアライザーで老廃物が除かれてきれいになった血液は体に戻されます。

ダイアライザーの中には半透膜というストロー状の細い膜がたくさん束ねられています。血液はこのストローの中を通り、透析液はストローの周りを流れています。半透膜は水分やごく小さな物質しか通さない性質があります。ストロー状になっている膜には目に見えないほど小さな無数の穴が開いています。この穴を通って様々な物質が出入りし、腎臓に代わってダイアライザーを通った血液をろ過して、綺麗になった血液を体に返しています。