病院長のご挨拶
新年度にあたって
当院は、急性期病棟、療養病棟、緩和病棟から成り立っており、外来では、各診療科が身近なかかりつけ医としての機能を担いながら、より専門的な医療を要する場合は、病病連携などを通じてシームレスな医療を展開しています。併設する特別養護老人ホームさつきの里では、医療、介護が一体的に提供できる構造となっております。さらに在宅医療に対する後方支援、高齢者施設などへの訪問診療、訪問看護などにも応じており、各医療機関などと緊密な連携を保ちつつ、地域医療にトータルに関わっていくことは、当院の使命の一つと考えています。
昨年度、診療体制が強化されました。循環器内科、消化器内科、糖尿病内科などの更なる充実、整形外科手術、外科手術の対象疾患の拡がりなどにつながっており、今後ともそれぞれの患者さんの病状に合わせた最適な医療が提供できるよう努めて参ります。また、質の高い安全安心の医療を実現するためには、多職種の円滑なコミュニケーションによるチーム医療の構築が必須であり、それに向け日頃より取り組んでいます。健診センターでは、常勤医をはじめ関係スタッフの増員により、人間ドック、各種検診、予防接種などに広く対応できる環境となり、疾病の早期発見、予防、健康増進などを目指しています。開設して8年目を迎える緩和病棟は、近隣では数少ない入院施設ですが、緩和医療の特性より、院内の関連診療科とも密に連携を取りながら、個々の患者さんにとっての最善のケアを供することを目標としています。
人工透析センターでは、今年度より、透析医療に長年携わってきた医師を迎えることができ、透析医療全般に対して、より幅広く関わることができると考えています。それにより患者さんの様々なニーズにお応えできればと思っています。咋今透析患者さんの高齢化もあり、合併症などの治療ないし入院を要する患者さんが増えています。内科、整形外科などの疾患に対処できることは、総合病院のメリットであり、当センターの強みと言えます。
今年は、干支で巳年にあたり、蛇は、脱皮を繰り返し、成長、変化していくものとされています。当院も急性期病棟の増床など、急性期医療に注力してから2年経過しますが、救急車の受け入れの急増、手術件数の増加など診療状況に少なからず変化をみています。今年は、障害者病棟への転換、DPC病院に向けての体制整備などが控えており、新たな進展が期待されると思います。
新型コロナウイルス感染症の患者さんが、国内で初めて確認されてから、5年余り経過します。感染者数および死亡者数ともに、インフルエンザより多く、累計死亡者数は13万人とされています。現在コロナ禍も落ち着き、通常の生活に戻りつつありますが、病院や高齢者施設などでは、今でも警戒が必要です。当院でも、流行の状況に応じて、面会制限など適宜行っています。皆様には、何かとご不便をお掛けいたしますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
一方、昨年度は、さつきの里との共催で秋祭りを開催し、多くの市民の皆様のご参加をえて、盛会裡に終えることができました。関係の皆様には、厚く御礼申し上げます。コロナ禍で自粛していた市民公開講座、各種セミナーなども再開しており、市民の皆様との交流をさらに深めていければと思っています。
今後とも、当院の理念である「患者さま一人ひとりのかけがえのない人生の支えとなれるように人に優しい医療・看護・介護を実践します」のもと、患者さんに一層信頼される病院となるよう職員一同努めて参りますので、皆様には引き続きご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
令和7年4月
医療法人社団聖仁会 白井聖仁会病院
病院長 布施秀樹