下肢静脈瘤

下肢静脈瘤とは?

下肢静脈瘤は、足にできる血管のこぶ(瘤)のことです。
症状は、まったくない人もいますが、足がだるい、足がつる、足がむくむなどの症状がある人もいます。また、中には、皮膚に色がついたり、足に潰瘍が出来て、皮膚科でなかなか治らず、困っている人もいます。
静脈瘤のタイプは、クモのように細いタイプから、へびのように浮き出ているタイプまでさまざまです。

静脈瘤の原因は、足にできている、こぶ(瘤)が直接の原因ではなく、太ももの内側やふくらはぎの裏にある伏在静脈の逆流が原因です。立ち仕事の多い人や、妊娠、出産を契機に悪化する人が多いです。
静脈瘤は、放置しても命にかかわることはありませんが、ときどき、血栓症や命にかかわる病気を合併していることがあります。ですから検査はしておいたほうがよいと思います。
静脈瘤の検査は、静脈エコーで行います。検査は10分くらいで、痛くはありません。検査結果で、静脈瘤の原因がわかり、治療法が決まります。

静脈瘤の治療法は、いろいろありますが、当院では、最新のラジオ波(高周波)治療を行います。手術のように切ったりせず、逆流をおこしている血管にカテーテルを挿入し焼く処置になります。局所麻酔で治療し、治療中も治療後の痛みも少ないのが特徴です。逆流した血管をラジオ波で焼き逆流が止まると、静脈瘤は切らなくても自然に小さくなります。もし静脈瘤が残ってしまっても、後日、硬化療法(薬の注射)で静脈瘤を消すことが出来ます。再手術の必要はありません。

当院では安全のため、1泊入院でラジオ波の処置をします。処置にかかる時間は15分くらいです。ラジオ波は安全性が高く、再発も少ない治療です。治療は日本外科学会専門医、日本脈管学会専門医および静脈瘤血管内焼灼委員会指導医の資格を持った医師が行います。万が一合併症が起きた場合は聖マリアンナ医大西部病院心臓血管外科で対応していただけます。

当院のラジオ波治療は健康保険がきく治療ですので、検査も含め片足5から6万円で治療が出来ます。
症状の無い方でも、見た目が気になり、スカートをまた履きたい方も是非静脈瘤外来を受診してください。お待ちしています。

2015年3月1日  横浜甦生病院 院長   澤田傑
(経歴は医師紹介欄を参照ください)

下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤は、足(ふくらはぎにできやすい)に血管がうきでる病気です。
原因は、足の太ももや、ひざの裏にある伏在静脈(表面からは見えません)が、逆流をおこし、皮膚の血管がうきでてきます。
長年立ち仕事をしていたり、妊娠や出産で静脈に圧力がかかり、静脈にある逆流防止弁が壊れると症状が出てきます。

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●どんな症状ですか?
血管がうきでる(ふくらはきの内側が、最も出やすい)見た目だけの症状から、足がつる、だるい、つかれやすい、痛いなどの症状や、足がむくむこともあります。ひどくなると皮膚炎が起きて、痒みや色が黒ずんできたり、足に潰瘍ができて出血することもあります。
足がしびれたり、歩けなくなってしまうことはありません。

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●どんな時、治療が必要ですか?
足の症状があれば、治療を考えます。無症状であっても、足の血管が気になるなど、見た目の問題も治療して良いと思います。
ただし、静脈エコー検査で伏在静脈の逆流があるか、大きな病気を持っていないかを確認したうえで、治療を決めます。

●どんな検査をしますか?
当院では毎週火曜日午後から、検査室で静脈の逆流を見るエコー検査をしています。検査と診察を同時に行い、全て予約制です。検査に約30分かかり、診察と説明が15分くらいです、静脈エコー検査は、立った状態で行います。

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●どんな治療がありますか?
当院では、伏在静脈の逆流を認めた方は、ラジオ波治療を進めています。また軽症の方は、硬化療法を勧めます。反対に重症の方は、血管を抜き取るストリッピング手術になります。その際は、聖マリアンナ医大心臓血管外科にご紹介しています。
もちろん、弾性ストッキングによる保存的治療もあります。

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●治療は安全ですか?
ラジオ波治療は、大きな合併症が少ない、再発も少ないと言われています。しかしラジオ波治療にも、いくつかの合併症が頻度は低いですが起きることがあります。治療前には十分ご説明させていただいています。また合併症が起きた場合は、当院で治療できるものは出来る限り行い、大きな合併症は聖マリアンナ医大で治療していただくことにしています。

●治療ができないことはありますか?
過去に静脈血栓症を起こした方、85歳以上の方、認知症の方、立って歩けない方、重度の精神障害のある方、心不全やコントロール不良の糖尿病や高血圧のある方などはラジオ波治療ができません。また、抗がん剤で治療中の方や、ステロイド、ホルモン剤などを飲んでいる方は、薬を1ヶ月以上休めない場合は治療できません。
しかし持病が安定している方であれば、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞後で血をサラサラにする薬を飲んでいても、ラジオ波治療は可能です。

●治療にはいくらかかりますか?
当院での治療は、すべて健康保険の範囲で行います。
ラジオ波治療は当院では1泊入院していただきます。1泊入院料金含め3割負担の方で片足5~6万円。1割負担の方は1~2万円です。
硬化療法は日帰りで行います。1回で3割負担の方が4~5千円、1割の方は2千円弱です。

●どのように治療を行いますか?
ラジオ波治療の場合、火曜日の午前中に入院していただきます。昼食は中止し、午後1時から点滴を行い、午後2~3時頃から、レントゲン室で治療を行います。治療は前処置も含めて1時間くらいです。治療が終わったら、歩いて病室に戻ります。午後5時から点滴を行い終了です。水分や夕飯も可能、歩行もできます。翌日朝、8時半頃からエコー検査を行い、血栓症を起こしていないか確認し、午前中に退院していただきます。

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硬化療法は外来で行います。まず立った状態で静脈瘤に針を刺します。その後ベッドに寝ていただき、硬化剤(0.5%ポリドカスクレロール)をフォーム状にして(空気を入れて泡状にしたもの)、1か所5mlを2か所から注入します。終了後、注射した静脈瘤をガーゼで圧迫し、その上からストッキングを履いていただきます。これで治療は終了です。5分ぐらいで終わります。
治療後は3週間ストッキング着用になります。1ヶ月後に外来で診察を行います。血管は半年くらいで消えます。そのころ、血管が残っていないか確認のために再診していただきます。

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●治療後の経過と通院について教えて下さい。
退院後は、最初の1週間は弾性ストッキングを24時間着用していただきます。その後の1ヶ月間は寝ている時以外はストッキングを着用していただきます。退院時、痛み止め、化膿止め、胃薬を5日分処方します。
次の診察は1ヶ月後になり、エコー検査で問題がなければ治療は終了です。退院日のエコー検査で血栓症が疑われる場合は、1週間後の再診や、投薬治療を行うことがあります。経過中合併症が悪化した場合は、緊急で聖マリアンナ医大を受診し、入院治療をしていただくこともあります。